― 葬儀の準備が、故人を思い出す時間になる ―
水晶館でお葬式を行う際、さがら葬儀社から喪主様やご家族へ、いくつかお願いをすることがあります。
「ご自宅の祭壇に、故人の好物をお供えしてください」
「故人のプロフィールを書いてください」
「スライドショーで流すため、写真を探してください」
こうしたお願いをするようになった当初は、葬儀をより良くするための「演出」という意味合いが強かったのですが、後になって、もっと大切なことに気が付きました。
故人の好物を思い浮かべながら、お供えを用意すること。
「お饅頭が好きだった」「お酒が好きだった」「100歳のおばあちゃんが、意外にもコーラが好きだった」「毎日のおやつはメロンパンだった」
ご自宅の祭壇にそんな好物が供えられていれば、「そういえば、こんなこともあったね」と、自然と話題は故人のことが中心になっていきます。
これまでの人生を振り返りながら、プロフィールを書くこと。
おそらく、ご兄弟やご親戚にいろいろと話を聞きながら書くことになるでしょう。
すると、皆さんの口から、自分の知らなかったエピソードが次々と出てくるかもしれません。
たくさんの写真の中から、その人らしい写真を探すこと。
アルバムをめくれば、見たこともなかった昔の写真。白黒の七五三の写真。成人式の写真。結婚式の写真。
そこには、自分の知らなかった故人の過去が、たくさん残されているかもしれません。

↑「私の祖父の葬儀でも、家族で写真や思い出の品を持ち寄り、その人生を振り返りました。」
こうして考えると、葬儀のためにお願いしている一つひとつの準備が、実は亡くなった方を思い出すための、とても大切な時間になっているのです。
祭壇にお供えするものを宗教的なものだけにすれば、準備は簡単です。プロフィールやスライドショーがなくても、お葬式は行えます。
手間をかけずに済ませようと思えば、それも一つの選択です。
ただ、こうした準備には、単に葬儀を飾るためだけではない意味があると、私たちは考えています。
もちろん、ご家族の状況によっては、準備が難しいこともあります。決して無理をしていただくためのお願いではありません。
大切なのは、何を用意したかではなく、その過程で故人に思いを寄せることなのだと思います。
お葬式の本質は、亡くなった方を供養する場であると同時に、残された方々が故人を偲び、思い出を語り、その存在を次の世代へと伝えていくことだと、私たちは考えています。
葬儀や法事といった供養を通して、亡くなった方を思い出し、「先祖がいたから、今の自分がいる」ということを改めて感じる。
そんな時間こそが、何よりも大切なのではないでしょうか。
株式会社さがら(さがら葬儀社)